東京都議会は平成24年第4回定例会の最終日に当たる12月6日に、ゴルフ場利用税の徴収は〝今日にそぐわない制度〟とした「ゴルフ場利用税の見直しに 関する意見書」を決議し可決した。同意見書は、都議会議員が党派を超えて国会及び政府に提出。意見書の宛先は、衆議院議員・参議院議員・
内閣総理大臣・総務大臣・財務大臣・文部科学大臣で、提出者は中村昭彦東京都議会議長となっている。意見書でゴルフ界の主張とほぼ同じ意見は前段部分で、①スポーツは、個人の楽しみや生きがいの創出、教育や産業振興など様々な分野の政策と相乗効果を発揮する力を持っている、②都は「スポーツ都市東京」の実現を目指す、③国も、平成23年に「スポーツ基本法」を施行、④2016年のオリンピック大会から正式競技に採用される、⑤二重課税で、スポーツのうち課税されるのはゴルフ-だけなどとし、「大衆
スポーツ化した今日にそぐわない制度。また、スポーツの振興という国及び都の施策とも整合性を欠くものである」とした。都はオリンピックの誘致もあり(ゴルフに課税していると他国から非難されるおそれ)都下のゴルフ場から利用税を徴収しない考えを示唆した。もっとも、これに続いて「自治体ごとのゴルフ場の設置状況やそれに伴う財政需要が異なるにもかかわらず、全国一律に課税する現行の地方税制度は、地域の実情をも無視。地方自治体の課税自主権の拡大及びゴルフ場所在区市町村の財政運営への配慮の観点からも、ゴルフ場利用税を地方税法上の法定任意税に組み替えるなど、各自治体がその責任と判断で課税し、又は課税しないことを決定できる仕組みとすべきである」と意見している。ただし、他の地方自治体への配慮から、課税するか否かや税率を地方自治体が決められるように、〝課税自主権〟を持ち出したとみられている。